医療秘書の役割 |
update/2022/06/17
医療の技術は日々進歩しており、診療内容もだんだん複雑化してきています。その一方、患者が医療機関に対してきめ細やかなサービスを求める動きも強まってきました。この動きの中、医療機関にとって欠かせない存在となっているのが、事務管理の知識・技能などを備えた医療秘書です。医師の補佐や医療関連の事務処理、患者と医師やその他の医療スタッフ間の橋渡しを行います。カルテの管理や患者の応対、レセプト(診療報酬請求明細書)の作成といった医療機関ならではの事務作業はもちろん、会議の準備や窓口の受付、会計事務などの一般秘書のような仕事も業務範囲。そのため、医療保険や医療関連法規、医学用語、簿記、パソコンスキルなど、医療秘書に求められるスキルは多岐にわたります。
医療事務に求められる能力
勤務時間に関しては、どうしても医師の都合に合わせなくてはいけません。不規則になることもありますし、レセプトの作成作業が集中する時期は特に忙しくなるため、残業や休日出勤もあるそうです。そして、医療秘書になるには「医療全般に関心があること」「患者の立場を第一に考えられること」が大切。それに加え、「気配りができること」「整理整頓能力があること」「スケジュール管理能力に優れていること」など、他業種の秘書と同じような資質も備わっているのが理想です。
受付対応やカルテ整理などを行う医療事務とは違い、医療秘書には幅広い医療知識が求められます。取得が義務づけられている資格はありませんが、役に立つ資格は色々あります。また、医療事務関係の資格試験には、テキストやノートの持ち込みが許可されているものが多いです。ですので、全てを完璧に暗記せずとも合格することができるため、易しめの試験が多いという特徴があります。就活や実際の業務に役立てるためにも、活かすことができる資格をみていきましょう。
医療秘書技能検定試験
まずご紹介するのは、民間の関連機関が実施している医療秘書技能検定試験です。医療秘書技能検定試験は、1988年から実施されていて、毎年1万人以上が受けています。そのため、知名度も高く人気の資格と。1級、2級、3級と分かれていて、医療秘書の実務や医療機関の組織・運営、医学的な基礎知識、医療関連知識などを問われます。医療事務に関わる人はもちろん、医療実務に関わる人も多く受験しているそうです。級によっては比較的難易度も優しく、例えば3級の合格率は70%を超える程度なので、気軽に受けやすいのも特徴です。医療秘書を目指す人だけでなく、医療に関わる仕事に就くのであれば、取得して損はないでしょう。
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)
1974年から45年以上の長い歴史がある医療事務技能審査試験は、メディカルクラークとも呼ばれます。実技と学科試験がどちらもあり、単なる知識だけでなく実践的なコミュニケーション能力や対応力が問われます。また、在宅受験のみとなっているのが特徴で、リラックスした環境で試験に臨むことができます。以前は級が分かれていましたが、現在では統合され、合格することで「メディカルクラーク」の称号を得ることができます。難易度は易しめで、合格率は60%程度だといわれています。
医事コンピュータ技能検定試験
医事コンピュータに関わる知識と実務能力を検定するのが、医事コンピュータ技能検定試験です。IT化が進んだことで、どの業界でも当たり前のようにコンピュータが利用されています。もちろん医療業界でも利用されていて、医療を大きく支える存在になっています。そのため、コンピュータを扱う機会は多く、技術が必須でしょう。医療事務とコンピュータに関する学科試験と、実際にコンピュータを取り扱う実技試験に分かれています。準1級、2級、3級に分かれていて、難易度は易しめ。合格率は準1級でも50%を超えています。医療に関わる仕事に就く場合、コンピュータ業務を避けることは難しいので、こちらの試験を受けておくと安心でしょう。
医療秘書というと、病院で働いているイメージが強いかもしれません。しかし中には、製薬会社や医療機器メーカー、調剤薬局などさまざまなフィールドで活躍している人もいます。こういった環境では、より医学に特化した業務を任されることになります。医療秘書は、今後ますます必要になるポジションといっていいでしょう。医療秘書は、医療従事者の中でも特にチームワーク力やコミュニケーション能力が求められます。そのため、専門学校に通い医療秘書を目指したい、コミュニケーション能力を磨きたいという人には、「チーム医療」を学ぶことができる医療専門学校がおすすめです。首都医校という専門学校では、臨床や看護だけでなく、福祉や東洋医学などの様々な分野の学科が設けられています。このスケールを存分に生かし、学科の垣根を越えてのグループワークを行っています。ですので、チーム医療の経験を積み、実際の医療現場で活かすことができます。また、ご紹介した資格を含め、様々な資格の取得を目指すことができます。